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ロシアンゲート

   海の向こうではトランプ大統領にロシアンゲート疑惑が再燃して、ブレナン前CIA長官の議会証言に続いて来週にはいよいよコミー前FBI長官の議会証言が行われるようだ。

 我が国のカゴイケゲートでは、籠池前理事長に対する助成金詐欺事件という矮小なところに問題を落とし込んで幕引きが図られようとしているようだ。
 田村財務省国有財産室長の籠池氏との面会テープまで公開され、とうとうあの佐川理財局長が予算委員会で「本物だ」と認めた、にもかかわらず。.

 しかし一方で今週、カケイゲート事件で前川前文部科学次官の「総理のご意向」証言(週間文春・朝日新聞)が飛び出してきて、こちらの方は規模から言っても先行のカゴイゲートの軽く10倍をこえるものだから、まだこの先何が起こるかわからない。

 巻く引きされかかっているとはいえカゴイケゲートで私たちに分かったことは多い。

 第一に、首相が能弁にぺらぺら喋れば喋るほどその言葉の端にひょいひょいとウソが吐き出される、ということだ。
 そのことの極め付けが実は、「私や妻が関係していたということであれば、間違いなく総理も議員も辞めるとはっきり申し上げたい!国有地払い下げに一切かかわっていない!」という例の断言命題だ。これなんか、自分の「未来に向かってウソをつく」典型といえる。、政治家に限らず一般にヒトが、こういう不自然な断言を口にするとき大体は怪しい、という私たちの日ごろの常識はここでも確かめられる。

 第二に、「戦後レジームからの脱却」を掲げてきた首相が右寄りということは前から知られたことだし、私たちもが一定程度それを支持してきた、しかしその右寄りは、どちらかといえばソフトな右派と思われていたのではないか。ところが、カゴイケゲートの一連の報道で明らかになったことは、首相夫妻がソフトどころか相当いっちゃってる右派、ウルトラ右派、原理主義的といってもいい右派活動家だということがはっきりしてきたことだ。
 血筋と見栄えが良く、人気度の高い首相は、同じ原理の活動家集団にとって千歳一隅のチャンス、希望の星なのだ。

 第三に、首相の支持率の高さ、特に20代の若年層での60%強の高さである。これを今の若者のどこにも行き場の無い閉塞感、窒息感で説明する議論がある。
 確かに今の時代、今日より明日のほうが良くなると信じられている若者はあまりいないのではないか。失われた四半世紀、デフレ、非正規雇用、超高齢化など陰鬱で窒息しそうな話題に事欠かない。若者は首相ならこの行き場の無いどん詰まりの状況に、何でも良い打開の穴を開けて捌け口を作ってくれるだろう、と期待をかけているのか。
 こういう逼塞した状況を第一次大戦前のヴェルサイユ体制下のドイツの若者になぞらえて見る見方もある。
 確かに反首相、反政府よりの言説に対する激しい攻撃の炎上は、フィジカルでないとはいえ親衛隊のテロに似ていなくもないし、激しいヘイトスピーチは反シオニスム思想を思い出させなくもない。
 ヘイトは首相が脱却を図っている自虐史観の裏返しなのだ。
 ヘイトの出自は劣等感であり自己嫌悪なのだ。
 首相の支持率の高さは、自己嫌悪、近親と近隣への憎悪、弱い野党への憎悪、不支持への裏返しであり、表裏の関係ではないか。
  またそれは首相の、弱い野党に対する過度に見くびった態度、からかい、横柄、挑発とも表裏一体なのではなかろうか。

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