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「偉大な同盟国日本」は「世界のお手本」か

 安倍首相へのトランプ大統領の異例の厚遇ぶりが国内外に戸惑いを与えている。
 何しろハグされ、19秒の長い握手を交わし、大統領専用機に同乗してフロリダの「冬のホワイトハウス}といわれる超豪華な別荘に招待され、首脳会談の合間に、昼夜合計4回食事をともにし、二つのゴルフ場で午前午後都合27ホールをともにラウンドし、家族を交えてのお別れ晩餐会の席上、北朝鮮のミサイル発射の緊急報告が入ると、単独で予定されていた記者会見を、共同でやろうと大統領が自ら提案し、共同記者会見の席上では「偉大な同盟国である日本を100%支持する」とまでいってくれたのだから。
 事前に危惧されていた駐留軍経費負担増の要求はおろか、円安非難も、貿易不均衡問題も一切出なかったというから拍子抜けというか、驚きとともに疑いを持って受け止められているようだ。

 しかし、この厚遇ぶりは今月はじめマティス国防長官が来日し
 「駐留米軍経費の負担は日本がお手本(model)だ」と発言したことで、ある程度予想されていたことだ。
 駐留軍経費の負担は、トランプ候補が選挙戦中もたびたび「全額日本が負担しなければ駐留米軍を引き上げる」と発言して話題になっていた。
 ところがいざ大統領になってから、周りの専門家からちゃんとしたレクチャーを受けてみると、駐留軍経費の負担は、我が日本が年間40億ドル以上と突出して多い。経費負担率で見ても我が国が74.5%とダントツに高い。ドイツは32.6%(15億ドル)、韓国は40.0%(8億ドル)ということが分かった。
 そうなると元がビジネスマンのトランプ大統領は直ちに、この日本にこれ以上プレッシャーをかけてふんだくるよりも、「この日本がモデルだ、各国はこの日本をお手本に負担率を上げてくれ」と矛先を変えたほうがはるかに効率的だ、と気づいたはずだ。
 今週さっそくマティス長官はNATO理事会に出席し
 「全ての国が自由を守るために必要なコストの応分な負担に応じるというのは公正な要求だ」と主張したそうだ。

 もっとも我が国がアメリカにとって「世界のお手本」であるのは、なにも
①駐留軍経費負担の突出した高さ、ばかりではない。
②アメリカ国債の購入残高についても中国を抜いていまや世界一
③トヨタに代表される米国内への直接投資と雇用創出による貢献でも世界一、なのである。

 2月10日の日経新聞のコラムに、「強いドル、弱いドル、アメリカ経済にはどっちがいいんだっけ?」とトランプ大統領がマイケル・フリン国家安全保障担当補佐官に、夜中の3時に電話して質問をしたというハフィントンポストの記事が紹介されている。
 フリン補佐官は「私の担当領域ではないので分かりません。専門家にお尋ねになったらいかがでしょう」と答えたというが、そのとおり専門家にトランプ大統領が聞けば
 「貿易赤字を減らすためには弱いドルが良いように見えますが、アメリカ国債の価格の維持のためにはある程度の強いドルが絶対必要ですよ」というようなレクチャーを受けたに違いない。ビジネスに敏いトランプ大統領のことだから日本が如何に「モデル」であるかこの時点で十分すぎるほど分かられたはずだろう。

 逆説でも何でもなく、「尖閣が日米安保の適用対象」と明言され、「偉大な同盟国を100%支持する」とまで仰ってくれているいまこそ、「沖縄駐留海兵隊を少し減らしてほしい」という交渉を始めるチャンスでもあるのかもしれない。

 

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早春

 立春を過ぎると陽射しの明るさはすっかり春なのに、一歩外へ出ると昔から「春とは名のみの風の寒さよ」(吉丸一昌)と歌われてきたように、ビル間を過ぎる風の冷たさがまだまだ厳しいこの季節が私は好きだ。希望と不安とが釣り合って、ピーンと張り詰めた緊張を与えてくれる気がする。
 創業のころ、信州の伊那地方に大事なお取引先があって早春のこの季節によくお尋ねしていたことを思い出す。

 梅の花の香りは、ほのかな甘さの香りと清々しい酸味の香りとが適度に釣り合った特別のものだが、不思議なことに通り過ぎてから気がついて振り返って、「あ、梅だ」と認識することが多い。私の場合、香りの知覚と香りの認識には何故かずれが生じやすいのか。

 

 春の夜の闇はあやなし梅の花色こそ見えね香やはかくるる       凡河内躬恆

 梅の花あかね色香もむかしにておなじ形見の春の夜の月           俊成女

 春の夜のかぎりなるべしあひにあひて月もおぼろに梅もかをれる    木下長嘯子

 

 春の夜の月の出です。

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 夜の梅です。

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