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来週月曜日に迫った陛下ご自身の生前ご退位についての国民への直接のお話

 先月13日にNHKの特種という形で報道された、今上天皇が宮内庁関係者に示されたという生前ご退位のご意向は、国民の平成天皇への圧倒的な人気もあってか大きな共感を以って受け止められた。
 国民の好感を見極め、事態は急ピッチで展開し、今月8日には天皇陛下ご自身が自らのお気持ちを、録画ではあるが国民に直接語られるというところまで一気に進んでいる。
 これは宮内庁、というより平成天皇の、我が国の将来に対する並外れた危機感と、憲法の許す範囲内でのぎりぎりの行動だと思われる。

 いうまでもなく憲法上は天皇は政治的行為が禁じられている。
 そして憲法によって定められている「皇室典範」は、男系男子の天皇しか認めておらず、生前退位の規定も無い。
 もっともこの「皇室典範」自体は高々150年の歴史でしかない。

 よく知られているように皇室には現在、次々世代の男系男子では秋篠宮と紀子さまとのお子さま 悠仁さましかいない。
 今世紀はじめ女性天皇を認めるべく「皇室典範」改正の機運が高まったが「日本会議」など保守派の強固な反対運動の上に、目出度く2006年悠仁さまのご誕生があって急速に後退した。
 2010年代に入って、女性天皇ではなく、せめて女系の宮家創設を認めるべく再び「皇室典範」改正の動きがあったが、「日本会議」有力メンバーでもある安部首相の誕生で再び三たび立ち消えとなった。

 こうした硬直した議論に最も危機感を抱かれ、将来の皇室の断絶の可能性、つまり天皇制のもとでの我が国体の存続の未曾有の危機を最も恐れていらっしゃるのが実は平成天皇ご自身であったということが、今回の生前ご退位のご意向報道で、あらためてはっきりと分かったわけだ。
 生前ご退位のご意向は、立ち消えになっている「皇室典範」の改正について何らかの議論の糸口にならざるを得ない。何という深いご叡智であろうか。
 安倍首相らはこれを「摂政制」の復活などで時間稼ぎしようとするだろうが本質的な断絶の危機が少しも解消するわけではない。

 来週月曜日に迫った、天皇陛下ご自身が国民へ語られる内容は、おそらく「皇室典範」改正については直接触れることなく、いつも変わらぬ国民への思いと国事行為への責任とを淡々と述べられるであろう。そのうえで戦没者への慰霊と被災地訪問とが一段落したことを報告され、ご自身および美智子妃殿下のご年齢とご健康上の不安を淡々と語られよう。語られることは無いかもしれないが、次世代次々世代への帝王教育への予算と時間の決定的な不足など現実上の危機もほかにある、という。
 政治的行為の禁止のみでなく、基本的人権が無いに等しい陛下の現憲法下でのぎりぎりの深謀と行動であろう。

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